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粟野真理子のパリおしゃれ通信

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「土田康彦」展 Yasuhiko Tsuchida

こんにちは。
サッカーのワールドカップが始まり、パリの動きも微妙に変化。試合があると道路はすいています。とくに夜8時代から始まる試合は、TV観戦しながらお家ご飯かカフェでアペロといった感じです♪

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 6月2日から、パリの吉井画廊で「土田康彦」展が開催中だ。その1ヶ月くらい前から、ギャラリーの人に、土田氏の白いガラス工芸の作品の話を聞いていたので、興味を惹かれていた。オープニングパーティには、土田氏のことをたまたま知っていた知り合いの写真家の人と一緒になった。写真家の視線も鋭いので、その反応もまた興味深い。土田氏はツッチーと呼ばれているそうだ。

 そして、翌日。誰も来廊者のいない時間に、また画廊に出かけ、ひとりで静謐な時間のなかで作品を拝見した。作品は自然光のなかで、静かな空間で見るに限る。土田氏は1991年にヴェニスに渡り、ガラス工芸を目指す。そして、94年からムラノグラスの工房で作品に打ち込み、吉井長三会長と出会い、「エジプト時代のキクラデスの大理石のような研ぎ澄まされた白をガラスで作ったらどうか」との提案があり、今回の展覧会に至ったという。つねづね思っているが、吉井会長の美的センスと行動力は素晴らしい。興味があるところにはすぐに飛んで行かれる。土田氏に白だけに特化したガラスを薦めるあたりもさすがだ。

 ひとりで眺めているうちに、吉井会長が見えた。ふたりで作品のうつわや皿に触れてみたり、2階の箱庭のつくばいで、うつわに水を入れてみたり、浮かべてみたり。そして、ガラスの透明感や光の陰翳を楽しむ。吉井氏は、土田氏がすでに作品をいろいろ創作し、色彩豊かなムラノグラスの作品を発表し入賞したりしているけれども、氏はこれらは好きではないとおっしゃる。私もサイトなどで作品をチェックしているが、白のガラスだからこそ惹かれるのだ。

 そんなことをあれやこれやとお話していたら、ご本人の土田氏が登場した。
「ムラノグラスと言えば、無限大に色を作り出せすますが、私も実はあえて白だけにこだわったものを作りたいと前々から思っていました。白はごまかしがきかないのです。ガラスを吹いて、ダイヤモンドで研磨する。このストイックな作業で、一日中過ごしています」
 と創作の話になると目が輝く。出来上がったものから、作品として世に出すものはほんの少しという。気に入らなかったものは粉々にした山が工房にあると聞いて、それが無性に見てみたくなった。まるで陶器のように見えたりする作品。でも、間近で見ると透けている部分や、ガラスの凹凸にニュアンスがある。11〜12種類の鉱物の混合でできあがる白のガラス。ムラノのマエストロの伝統的な技法をベースに、土田氏の感性とパッションが織り成すクリエイション。3人で話している間にも、アメリカ人の品のいい女性が展覧会のポスターに掲載された大きな作品を、ぽーんと一目惚れでお買い上げしていった。今後も白のガラスの行方に目が離せない。

「Yasuhiko Tsuchida」6月30日まで
Galerie Yoshii
8 Av.Matignon 75008 Psris
tel:01-43-59-73-46




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by madamemariko | 2010-06-14 21:54 | 美術散歩
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