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粟野真理子のパリおしゃれ通信

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「アライア展」 

皆様、お元気ですか?パリはすっかり秋の気配が漂う今日この頃です。今日はエルメス本店で、新作メンズ腕時計の発表会に取材に行ってきました。かなりレアなものをいろいろ拝見してきました♪

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 「イヴ・サン・ローラン亡き後、フランスのモードの歴史を背負っていくのは、アズディン・アライアだ」。ある友人の言葉にハッとした。確かに、美術に造詣の深かったサン・ローランと同じように、アライアはチュニジアのボザールで彫刻を専攻した後、パリに出てきてモードに転向し、80年代にはボディコンシャスのスタイルで一世を風靡。その後も普遍的なスタイルで洋服作りを続け、アートへの関心も高く、アートコレクションもしている。フランスでの評価は高い。

 折りしも、長い間改装工事をしていたガリエラ・モード博物館がリニューアル・オープンし、最初の特別展が「アライア展」という。9月28日の初日にさっそく見学に行ってきた。優美なガリエラ宮のなかに、過去に制作した70点のアライアのイブニングドレスやワンピース、コートなどが展示され、モード関係者や中年の人々、若いパリジェンヌ、パリジャンたちが熱心に覗き込んでいる。

 構築的とも言えるアライアの服は、カッティングも素晴らしく、その流れるようなラインや異素材の組み合わせが見事で、単なる服を超えた作品になっている。人間の身体が持つしなやかなラインに合わせ、ある意味崇高ですらある。ただ、平面に設置した服は、鑑賞者が多いと見づらく、照明もいまいち。おそらく誰もいない静謐な空間で見たら、もっとアライアの凄さに接することができたのにと思い、ちょっとがっかりした気になって、外に出た。

 出ると矢印があり、向かい側のパリ市近代美術館のマチスの部屋へとの表示があり、それに誘われるように、道路を渡って近代美術館に赴いた。あまりこれに気がついている人は少ないようで、入るとまたアライア展の表示が出ている。ドアを開けると、なんとマチスのブルーグレー色の「未完のダンス」の大きな壁画の前に、アライアの黒の素晴らしいロングドレスが呼応するように展示され、私はあまりの美しさにひとり立ちすくんでしまった。反対側の壁に掛かるダニエル・ビュランのカラフルなストライプの作品もその部屋のアクセントに一役かっている。そして、さらに奥に進むと、色彩豊かなマチスの「パリのダンス」の前に、その絵に合わせてアライアが特別に今回制作したというミニドレスが3体飾られ、これも絵画的で良かった。

 今回のアライア展で、パリ市近代美術館がガリエラとコラボレーションしていることがわかり、これを見逃さずに両方を見られて、本当に良かったと思う。パリのアートシーンは奥が深い。実はこのパリ市近代美術館、ほかの広い展示室が延々と続き、所蔵作品の充実度はかなりレベルが高い。私のお気に入りのジョルジュ・ルオーのアクリル画や陶芸も多数所蔵していることに気づき、この日は心満ち足りた気分で帰路に着いた。アライア展、ぜひおすすめの展覧会だ。


「Alaia」
9月28日~2014年1月26日
Palais Galliera /Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris,Salle Matisse)




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by madamemariko | 2013-10-02 10:50 | 美術散歩
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