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粟野真理子のパリおしゃれ通信

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マグリット新解説⑤  Magritte ⑤

あけましておめでとうございます。
今年もパリで静かな新年を迎えています。年末は雪が降り氷点下のことも多かったので、今日のように気温が2度でも、あっ少し暖かくなったと思ってしまう慣れもすごいものです。
今年も健康で刺激的な素敵な一年になりますように♪

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 今年もベルギーの王立マグリット美術館の公認専属ガイドの森耕治氏による、ベルギーの国民的画家、ルネ・マグリットの作品の新解説をご紹介。日本では今年2月9日から5月9日まで、東京の国立新美術館で、 「シュルレアリスム展」ーパリーポンピドゥーセンター所蔵作品ーが開催。これにはマグリットの作品も展示されるので、きっとこれらの解説が深い意味をなすだろう。森さんは最近ベルギーのデルヴォー美術館の初の日本人解説者に任命されたそう。ベルギーに行く機会があったら、ぜひ森さんじきじきのマグリット&デルヴォーのユニークな解説をお楽しみください!

 解説5回目は、青空のもと荒れ狂った海の上を、巨大な隕石のような城がぽっかり浮かぶおなじみの作品の解説だ。

「ピレネーの城」 1959年 
まずこの絵のタイトルですが、18世紀から19世紀にかけて活躍したイギリスの女流作家アン・ラドクリフの小説のタイトル「ピレネーの城」から借用したことを、マグリットはこの絵を注文したハリー・トルクジナーへの手紙のなかで認めています。ハリー・トルクジナーはアントワープ出身の弁護士で、ニューヨークに弁護士事務所をもっていました。そのハリーが1959年2月4日にマグリットに手紙を書きました。私のオフィスには高さ199センチの窓があってそこから隣の見苦しいビルが見えてしまう。この窓をあなたの絵でふさいでしまいたい。早速マグリットは三つの案をハリーに出しました。その中の一つの案が、夜の景色の中で、石の上に建てられた古い石つくりのお城というものでした。これをハリーがニューヨークから「その石の上の城とやらを、北海の海の上で宙に浮かしてください」と逆提案し、マグリットはいいけれど、その海は暗い荒れた海で、反対に空は「光の帝国」で描いた明るい空を使いたいと返事しました。こうして両者が合意に達して、完成した作品は同年5月11日にマグリットの家からニューヨークに向けて送られました。この絵に使われている大きな岩は。5年前の1954年に「見えない世界」という作品で描かれた岩にそっくりで、そのイメージをそっくり再使用したことは明白です。




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by madamemariko | 2011-01-04 22:12 | アート
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