こんにちは。
パリのフリーのジャーナリストの粟野真理子(あわのまりこ)です。
先日、エジプトのナイルクルーズに行ってきました。あちらは30度前後と夏のように暑くて、7泊8日の船旅は最高でした!その体験談は後日書くことにして、いや〜パリの寒いこと。今日はマイナス1度〜4度前後だそう。外には出たくない気分です。
久しぶりにマティニョン通りにある「ギャルリーためなが」を訪れた。強烈な個性の絵を描く画家の作品が展示されている、という話に惹かれておじゃましたのだ。
為永氏のお話では、最近はこの世界的な金融危機で、アート業界全体もかなり厳しいとのこと。ついこの前まで、アメリカや中国、ロシアなどのヘッジファンドやトレーダーの投資家たちのニューマネーによる動きで、投資を目的として、名もない画家の作品を素晴らしいともてはやして、何千万、何億円という額で取引されていたバブリーな時代も終わり、今では値崩れして、アンディ・ウォーホルでさえ、売れないという買い控えの時代が訪れているそうだ。
今回、お目当てで訪ねたその画家の名前は、ロレンツォ・フェルナンデス。
その作品を見たときには驚いた。まるで、写真のよう。しかし、絵を写真のようと言って喜ぶ作家はいない。絵は絵なのである。あまりに細密なモチーフと光と色。一度見たら忘れられないインパクトのある絵なのだが、それをじっとしばらく見ていると、画家のピュアな精神が見えてくる。不思議な絵なのである。
フェルナンデスは、現在38歳、マドリッド出身。14歳からスペインのバロック技法を学び、一方でハイパーリアリズムやアメリカのフォト・リアリズムに興味を持ち、コンセプチュアル・アートの第一人者のペドロ・ガルヴァンに師事。バロックとハイパーリアリズムをミックスした希有な画風で、いま超売れっ子の画家とのこと。一度、その画家に会ってみたくなった。
その向かい側に展示されていたのは、ジル・ゴリチの作品。私が最近ずっと注目している画家だ。祖先がバスク出身で、父が画家のアイズピリ氏。年齢は60歳後半だが、スペインやバスクの影響を受けた美しく情熱的な色彩が印象的で、力強い。日本にも実はファンが多いそうで、現代のマチスと称されることもある作風が魅力的だ。
ゴリチとフェルナンデス。ふたりともスペインゆかりの作品だが、こんなにも表現方法が違うものかと興味深く、それぞれの画家の絵に対する情熱を垣間みた気がした。ぜひ、この機会に覗いて見て欲しい。
上3点がフェルナンデス、下3点がゴリチの作品。
Galerie Tamenaga
18 Av. Matignon 75008 Paris
tel:01-42-66-61-94
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